ネコちゃんも人間と同ように年齢を重ねるごとに、身体能力・内臓機能が衰えていきます。急に元気が無くなったり、病気になる可能性が高くなります。少しでも長く飼主さんとネコちゃんが幸せにくらせるように高齢のネコちゃんとの過ごし方をご案内します。
高齢になったからこそ重要な健康診断
年2回の健康診断をおすすめしています。
突然ご飯をたべなくなったり、元気が無くなったりと不調が現れてくる年齢です。ネコちゃんは、我慢強く病気になっても隠してしまうことも多いです。飼主さんが異変に気づき、病院に連れてこられたときには、病気が進行してしまっていることもよくあります。
定期的に健康診断を受診することが病気の早期発見につながります。
高齢のネコちゃんの健康診断では、レントゲン検査やエコー検査なども組み合わせて、詳しく検査してあげてください。
高齢のネコちゃんに多い、腎臓疾患、心臓疾患などの病気も麻酔をかけず、血液検査で早期発見ができるようになりました。何の検査をすればよいか迷った場合は病院スタッフにご相談ください。
高齢のネコちゃんに多い病気
1.腎不全
腎不全は、中高齢のネコちゃんの死因の上位にあげられる病気です。
腎臓の働きが悪くなり、正常な尿が作られないため、老廃物が体内に溜まり、貧血や尿毒症などを引き起こします。症状に気が付いたときには重症になっていることが多いので、水を飲む量やおしっこの量が増えたり、貧血、体重減少などの症状があったら、すぐに病院で診察を受けてください。また、定期的に尿検査を受けることで早期発見にもつながります。
2.腫瘍(乳腺腫瘍など)
腫瘍は、皮膚、乳腺、耳、口の中などいろいろな部分にできます。
特に避妊をしていないネコちゃんは、乳房またはその付近に腫瘍ができやすくなります。ネコちゃんの乳腺腫瘍は高い確率で悪性です。お家での健康チェック、病院での健康診断を受けることで早期発見ができます。
また、お耳の先端やふちが赤い擦り傷のようになる扁平上皮がんは、毛色の白いネコちゃんに多く見られます。
3.歯周病
歯と歯茎の間に入り込んだ細菌によって歯茎が炎症を起こし、歯を支える部分が破壊されていく病気です。歯が抜けたりご飯が食べれなくなったりすることもあり、ネコちゃんにとって大きなストレスになります。
歯垢や歯石が主な原因になるので、日ごろから歯磨きをして予防してあげてください。歯磨きでは取れない歯石は病院で歯石を除去することができます。獣医師にご相談ください。
4.甲状腺機能亢進症
特に中高齢によくみられます。甲状腺の機能異常により、ホルモンが過剰分泌されて障害が現れてきます。ホルモンが過剰分泌されることにより、異常な食欲、たくさん食べる割には痩せていく、落ち着きがなくなる、水を飲む量が多いなどの症状が出ます。
5.心筋症
心臓の筋肉が何らかの異常発生して心臓の機能が低下する病気です。心筋症は、肥大型、拡張型、拘束型の3つに分けられます。原因は、遺伝といわれていますが、はっきりとはまだわかっていません。いつもより元気がない、食欲がない、お腹が膨らんでいるなどの変化が見られた場合は、診察を受けてください。
予防として日々のストレスを減らし心臓に負担をかけないことが大切です。
6.変形性関節症
骨と骨とをつないでいる関節に炎症を起こすことで、「骨関節炎」とも呼ばれます。
中高齢期の股関節・肘・膝・肩によく見られ、関節の軟骨組織がすりへったり、破壊されたりすることにより、関節が変形します。いろいろな部位に発生して関節の動きが悪くなったり慢性的な炎症や痛みを伴います。
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