エキゾチックアニマルの飼主さんへ
春日丘動物病院では犬や猫の診療はもちろん、エキゾチックアニマルの診療にも力を入れています。
エキゾチック動物の学会や研究会にも積極的に参加し、常に最新の知識を身に付けて、多くの症例経験もあります。
体も特別小さく、判っていることも少ないエキゾチックアニマルの治療は、難しいと断られてしまう場面も少なくないかと思います。治療をあきらめずに、ぜひ春日丘動物病院にご相談ください。
診療できるエキゾチックアニマル
- 小鳥
- モルモット
- チンチラ
- フェレット
- ハムスター
- ハリネズミ
- リス
- デグー
- カメ
その他の動物はお問合せください
エキゾチックアニマルの診療内容
来院されるときは必ずゲージに入れてお連れください。
一般診療
各種検査
レントゲン検査、超音波検査、CT検査(動物の体の大きさによる)のほか、小鳥用の血液化学検査機器など、エキゾチックアニマルにも対応した様々な専用機器を用意しています。
各種処置
各種手術
自然界で天敵の存在する他の動物に食べられてしまう動物は、弱っているとわかってしまうと標的となってしまうため、体の不調やけがを隠します。
また、エキゾチックアニマルは表情をよむのが難しく、変化に気づいたときは病気がかなり進行していることが多いです。病気は早く見つけるほど、治る確率が高く、動物の体への負担も軽くてすみます。
日頃から動物とコミュニケーションをとって、小さな変化に気づいてあげられるようにすることと、定期的に病院で診察を受けていただくことをおすすめしています。
エキゾチックアニマルに多い病気
小鳥
マクロラブダス症
カビの一種のマクロラブダスが胃に感染して慢性的な消化障害を起こし、食べたものがそのまま排便されたり、食べても痩せていってしまします。
感染しても必ず発症するわけではなく、換羽期、環境の変化によるストレス、病気などで免疫力が落ちてくると発症しやすくなり、吐き気、嘔吐、下痢、食欲不振、黒色便、体重減少といった症状が現れます。
慢性化すると治りづらいですが、早期に治療できれば抗真菌薬で完治も可能な病気です。
日頃から体重の変化や糞の状態を観察してあげてください。また、衛生的な環境を保ち、ストレスを与えないことも大切です。
卵詰まり
お腹に卵があるのに産めずに詰まってしまう病気です。
原因はカルシウム不足で卵が柔らかい、寒さ、高齢または、未成熟での産卵などさまざまです。
症状は、お腹がふくらんでいるのに産卵せずケージの隅でうずくまるなど苦しそうにしたり、お水を多く飲んで水分の多い糞をします。
保温することで産卵することがありますが、卵が詰まっている状態が長くなると卵が大きくなったり、卵殻が卵管粘膜と癒着してしまいさらに産卵が困難になってしまいます。保温しても産卵しない場合は早めに病院へお連れください。
甲状腺腫
甲状腺が腫大することによって呼吸の乱れや肥満を引き起こす病気です。
栄養素のヨードが慢性的に不足することと、食物(大豆、アブラナの種子、ケール、キャベツ、ブロッコリー、カブなど)に含まれる甲状腺種誘発物質の摂取することが原因と言われています。
呼吸の乱れ、肥満、羽毛の退色や粗毛といった症状が現れます。
治療は、甲状腺ホルモン製剤やヨード剤を投与し、肥満が著しい場合は食事療法も行いますが、治療をしても症状が改善しない場合は甲状腺癌の可能性があります。
ヒゼンダニ症
一般的にみられる皮膚病の1つで鳥疥癬(かいせん)とも言われ、トリヒセンダニが体表に付くことで感染します。
最初はカサカサしたフケっぽい状態ですが、徐々にかさぶたのようなものが分厚くなってきます。駆除剤を投薬することで完治しますが、必ず獣医師に相談の上、投薬を行ってください。
クラミジア感染症
全年齢のすべての鳥種に感染する感染症で人にもうつります。感染経路は外部からがほとんどですので、外から菌を持ち込まないように飼主さんも外から帰ってきたらしっかり手を洗うようにしてください。
感染から病気の発症まで潜伏期間が数日~数週間以上あり、症状が現れないこともあります。症状が現れた場合は風邪症状や衰弱、下痢、震え、呼吸困難などがみられます。
糞便検査、血液検査で感染しているか調べることができますので、飼い始めや定期的な検査をおすすめしています。
モルモット
臼歯不正咬合
歯の噛み合せが悪くなる病気で、特に臼歯は気づきにくいことがあります。
一度治療しても、歯は生涯伸び続けるので、再発することも多く、定期的な治療を必要とする子も多いです。放置しておくと伸びた歯が頬に刺さり、痛みからご飯が食べられず、栄養不足や歯茎、顎の骨への感染症、ひどいときには死んでしまうこともあります。軽度の場合には、食べる量が減ったり、柔らかいものばかり食べていたりします。重症になるとよだれをたらしたり、全くご飯を食べなくなります。
不正咬合は繊維質の不足のために、歯が正常に摩耗できず、異常成長してしまうので、繊維質の高い牧草を与えることで、予防できます。 また、ケージをかじることが原因となることもありますので、飼育環境も整えてあげてください。
皮膚疾患
モルモットはシラミやダニ、カビ、寄生虫により皮膚疾患になってしまうことがよくあります。後ろ足を使って体を掻こうとする、フケがたくさん出ている、毛が抜けるといった症状は皮膚疾患にかかっている可能性があります。
日頃からケージ内をこまめに掃除して清潔に保つことが大切です。
尿石症
膀胱内や尿道などに結石ができてしまい、排尿がうまくできなくなる病気で、モルモットには比較的多くみられます。
何度もおしっこをする動作をして動かなくなったり、元気がなくなったり、食欲がなくなったりする場合は尿石症になっている可能性があります。悪化すると膿や血の混じった尿が出たり、ショック状態になり死んでしまうこともあります。早めに病院へお連れください。
予防法はモルモットがいつも新鮮な飲み水が飲めるようにしてあげることと栄養バランスのとれたご飯を与えることですです。
チンチラ
不正咬合
歯の噛み合せが悪くなる病気です。
一度治療しても、歯は生涯伸び続けるので、再発することも多く、定期的な治療を必要とする子も多いです。放置しておくと伸びた歯が頬に刺さり、痛みからご飯が食べられず、栄養不足や歯茎、顎の骨への感染症、ひどいときには死んでしまうこともあります。軽度の場合には、食べる量が減ったり、柔らかいものばかり食べていたりします。重症になるとよだれをたらしたり、全くご飯を食べなくなります。
不正咬合は繊維質の不足のために、歯が正常に摩耗できず、異常成長してしまうので、繊維質の高い牧草を与えることで、予防できます。
また、ケージをかじることが原因となることもありますので、飼育環境も整えてあげてください。
熱中症
チンチラにとって夏の暑さは厳しく、熱中症になりやすいです。耳の内側や舌、唇は赤くなったり、息切れや脈が速くなったりなどの症状がでます。ひどい場合は痙攣を起こしたり、脳や内臓に後遺症が残ります。
熱中症かもと思ったら、冷たいタオルで耳やあごなどを冷やし、すぐに病院にお連れください。急激な体温低下は返って危険なので、氷水などは避けてください。
便秘
便の量が減る、便が小さい・硬いというときは便秘が疑われます。重症化すると腸が詰まり、破裂することもあります。
便秘の症状がみられたら、ニンジンやレタスなどの野菜類や果物などの食物繊維が多く、水分豊富なご飯を与えてください。良くならないときや、明らかに苦しそうで重症化している場合は早めに獣医師にご相談ください。
便秘の予防はご飯の管理もですが、適度な運動も大切です。ゲージのレイアウトを工夫したり、定期的にゲージの外に出して遊ばせてあげてください。
フェレット
副腎の腫瘍
中年期以降のフェレットに非常に多くみられる病気で、3歳以上の50%以上で腫瘍ができているとも言われています。
異常を起こした副腎からホルモンが過剰に分泌されることにより脱毛や、女の子では外陰部の腫れ、男の子では前立腺肥大による尿が出にくくなるといった症状が現れます。
ホルモン治療や外科手術が必要になります。
フィラリア症
フィラリア症は蚊によって媒介される犬糸状虫がフェレットの心臓に寄生して起こる致死率の高い病気です。ワンちゃんの病気としてよく耳にしますが、フェレットにも感染します。フェレットはワンちゃんに比べ体が小さいので数匹の感染でも重篤になります。 蚊がいる時期は予防を行うことをおすすめしています。
がん、リンパ腫
副腎の腫瘍以外にもインスリノーマと呼ばれるすい臓の腫瘍や、リンパ節の腫瘍であるリンパ腫がフェレットにはよく見られます。
インスリノーマはフェレットの中でも多い腫瘍で、3歳以上の子での発生率が高く、その約半分は副腎腫瘍を併発しています。 治療は食事療法、内科療法、外科手術を組み合わせて行います。
早期に発見して早期に治療に入ることが重要ですので、日頃から様子をよくチェックすることと定期的な健康診断をおすすめしています。
尿路結石
フェレットに多い泌尿器疾患のひとつです。結石ができることにより、尿の通り道が塞がって尿が出なくなることもあります。適切な水分の摂取や食事管理などで予防できます。
ハムスター
皮膚病
ハムスターの皮膚病はさまざまな原因があります。細菌感染やウィルス、カビ、寄生虫、ホルモンの異常、栄養の偏り、ストレスの他にゲージの汚れ、体質の合わない床材なども原因となります。
皮膚がカサカサになってフケが出たり、赤くなっていたり、脱毛している場合には皮膚症の可能性があります。
日頃からゲージを清潔に保ち、バランスのとれたご飯を与えて予防してあげてください。
腫瘍
腫瘍は体にできるしこりのことです。治療が遅れると生命に危険をおよぼすこともあります。ハムスターは一般的に1歳を過ぎると腫瘍ができやすくなると言われています。
また、腫瘍には悪性と良性がありますが、ハムスターは悪性の腫瘍が比較的多いと言えます。
ハリネズミ
皮膚疾患
ハリネズミはダニやカビによる皮膚感染症が多くみられます。
かさぶたのようなフケ、脱針、脱毛や激しいかゆみが現れ、症状が進むと、元気が無くなり、食欲が落ちることもあります。
日頃からゲージを清潔に保つことはもちろんですが、感染している他のハリネズミとの接触によって感染が広がるので、新たにお迎えしたときは動物病院でのチェックを受けていただくことをおすすめします。
子宮癌
ハリネズミの癌の発症年齢は平均3.5歳と言われており、とくに子宮癌は女の子のハリネズミには多いです。
ハリネズミに適した飼育環境を整え、元気はあるか、しこりや腫れがないか、体重に変化はないか、食欲は正常か、生殖器からの出血はないかといった日頃の健康チェックとあわせて、動物病院での定期的な健康診断の受診もおすすめします。
早期発見、早期治療が重要です。
口腔内トラブル
ハリネズミでは歯肉炎・歯周炎などの歯周病も一般的で、特に高齢になってくると起こりやすい病気です。
歯周病は歯の周囲だけの問題でなく、細菌が血液によって全身に運ばれ、肝臓や腎臓などの内臓疾患を引き起こす原因ともなります。
歯周病の原因は歯垢や歯石です。歯石をとる役割をしてくれる固さのあるドライタイプのフードや昆虫類のように繊維の多いご飯を与えたり、液体歯磨き(犬猫用)や、かじって遊ぶおもちゃを与えることも予防につながります。
WHS(ふらつき症候群)
神経系の病気のひとつで、運動失調や麻痺によりふらついたり思ったように体が動かせなくなってしまいます。
多くの場合、後ろ足から発症し、それから前足、全身に広がります。食事が思うようにとれないので痩せ、自力での排尿や排便が困難になることもあります。
致死率が高く、遺伝によるものとも言われていますが、詳しい原因・治療法が確立されていません。そのため多くの場合、症状が現れてから18~25ヶ月以内に死んでしまいます。
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